サミュエルソン追悼
米国の経済学者ポール・サムエルソンが亡くなったという。
今年は、というよりここ数年だが、学生時代に良く読んだ学者の面々の訃報が相次いだ。そういう時期なのだろう。
サムエルソンの分厚い「経済学」(都留重人訳)は、どこかそれまでの自分に裏切る「宗旨替え」的なような気分を感じながら、読んだものだ。12月18日の日経新聞の「経済教室」欄に東大の伊藤元重教授が追悼文を寄せているが、それを斜め読みしながら、そんなことを思い出した。入門書として読んだのではなく、すでにあちこちで摘まんでいた経済理論が、まとめて書いてあるなあと言う印象を抱いた…、そんなタイミングで手にしていたのだと思う。
もちろん、伊藤氏が挙げているサムエルソンの個々の論文にまで目を通したことがあるわけではない。純粋に経済学的な論考なぞ書いたこともないので、その業績を肌身で感じたことはない。
かつて米国にて学んだ伊藤氏には、既成勢力であった英国流の経済学との対比で勢いを増していたサムエルソンら米国流の経済学を新古典派と呼んでいる。
新古典派といえば、サッチャー政権やレーガン政権の経済政策を支えていたフリードマンら、ケイジンアンに対抗する勢力をすぐ思い浮かべるが、追悼文では彼らを古典派と呼んでいて、ちょっと笑えた。
年末になって、今年去って行った巨人たちのことを振り返るタイプの記事を目にすることも多くなるだろう。
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